もし家のローンを払いきれなくなったらどうすべきか、考えたことがありますか?
実は、これ以上ローンを支払えない!という状況に陥った場合でも、「任意売却」という最後の手段が残されています。
これは、銀行などの債権者の合意があれば、所有者が家を売却できるというシステムです。
今回は、ローン滞納者のほとんどが選ぶという「任意売却」とは何か、その流れと注意点についてまとめました。
家を任意売却する仕組みとその流れとは?
ローンの支払いが滞れば、当然その家を手放さなければなりません。
本来であれば競売や公売にかけられるところを、債権者(融資した金融機関)に売却を認めてもらうのが任意売却(略して任売)です。
競売や公売は自分で売却金額を決められず、市場価格の7割程度になってしまうことが多いと言われていますが、任売であれば自分で決められます。
不動産売却にかかる諸経費も、任売であれば売却費用から出せますが、競売や公売ではそうはいきません。
任意売却の流れは、以下のとおりです。
まず債権者である銀行からローンの残高証明を入手します。
そのあとは、不動産会社と具体的な内容を相談して、同時に査定もしてもらいましょう。
その後、債権者からの許可が取れ次第、買い主の募集が始まります。
希望者による内見も可能なので、できるだけきれいに掃除しておいてください。
無事に買い主が決定したら、債権者に購入申し込み書と売買代金分配書を提出して、許可をもらえれば、晴れて家の売却が可能です。
代金決済まではだいたい1か月から1か月半とお考えください。
家を任意売却するときの注意点とは?
任意売却はローンを6か月以上滞納しないとできませんが、実はその時点ですでに信用情報に傷がついています。
約5年間はローンが組めないことを忘れないでください。
また、売却金額は基本的にはローンの返済に回さなければなりません。
売却に必要な経費や引っ越し代も、あらかじめ債権者と交渉して、売却金額から差し引かなくてはならないことも注意点の1つと言えるでしょう。
そして、ずっと買い手がつかない場合は、競売に出されてしまうおそれもあります。
売却交渉にもあまり時間をかけられません。
最悪の場合は、ローンを返せずに自己破産にまで追い込まれることもあるのです。
任意売却は、一般的な不動産取引とは異なり、専門知識が必要になり、明確なガイドラインがまだ存在していません。
顧客の無知をいいことに、対応がずさんで悪質な不動産屋も存在します。
地元に密着した業者や大手の不動産屋など、とにかく経験豊富で信頼できるところに依頼するようにしましょう。