
一般的に土地は「所有権」を売買されるケースがほとんど。これは文字どおり、土地を所有する権利のことで、権利形態が「所有権」の土地は自分のものとなります。一方、「借地権」とは、土地を借りて家を建てる場合に、その土地を借りる権利のこと。ここに家を建てると、土地は地主のもの、建物は自分のものとなります。
一戸建てには、地主から借りた土地に家が建っているケースと、土地が借り物ではなく、建物とセットになって売られているケースがあり、前者を「借地権付き建物」と言います。
〈借地権付き建物のメリット〉
借地権付き建物のメリットは、マイホームを購入する際に土地の取得費用を考慮せずに済むため、物件価格を抑えられる点が挙げられます。
購入するエリアによって異なりますが、土地も一緒に購入する場合と比べて、住宅に関する総費用を60~80%程度に抑えることが可能です。
また、土地を所有しないため、土地に関する一部の税金の支払い義務がありません。
固定資産税や都市計画税は、あくまで所有者にかかる税金だからです。
土地に関するコストを抑えられる分だけ、物件の購入後も負担を軽減できるのがメリットといえるでしょう。
〈借地権付き建物のデメリット〉
一方で、借地権付き建物のデメリットは、土地の使用料にあたる地代を毎月支払い続ける必要がある点が挙げられます。地代については契約内容にもよりますが、所有した場合にかかる固定資産税・都市計画税の2~3倍程度といわれています。
また、建物をリフォームする場合には土地の所有者の許可が必要であり、あらかじめ相談をしなければなりません。大規模なリフォームを行って土地に何らかの影響が出る場合は、保証金の支払いを求められることもあります。
そして、借地権付建物である場合、金融機関からの担保評価が低くなるデメリットにも注意が必要です。希望する金額の融資が受けられないケースがあるので、資金計画を入念に立てるようにしましょう。
借地権付建物であれば、物件の購入予算そのものを抑えることができるので、住宅ローン借入額がどれくらい必要かをよく検討してみてください。
〈まとめ〉
このように借地権付き建物は、土地を購入する場合に比べて価格が安く、税金もかからないと言ったメリットもある一方で、様々なデメリットがあります。
ただ、借地とはいえ、50年以上も借りられるのであれば、所有権と実質的にほとんど変わらないという考え方もできますから、一概に良くないということは決してありません。
メリットとデメリットの双方を比較し、いずれの方が勝るのか、しっかり熟慮されることをお勧めいたします。
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